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金木犀

2025年09月22日 08:28

金木犀

清英の書作品は
金木犀
キンモクセイ金木犀[5]・巌桂、学名: Osmanthusfragrans var. aurantiacus)は、モクセイ科モクセイ属の常緑小高木樹で、モクセイ(ギンモクセイ)の変種。庭園樹や街路樹として植栽に使われる。秋に橙黄色の花を咲かせて甘い香りを放ち、ジンチョウゲクチナシと合わせて、日本の三大芳香木のひとつに数えられている。

日本薬学生薬の花 https:www.pharm.or.jp/flowers/post_31.html金木犀キンモクセイ
夏が終わり少し涼しくなって来た頃に花を咲かせます。花は橙色でとても小さく、甘く芳醇な香りを放ちます。庭の栽植として親しまれている常緑小高木なので、住宅街街路樹に秋の香りを漂わせます。幹は太く、よく分岐していて、高さ4 mぐらいになります。葉は長さ5〜9 cmで、革質で裏面が多少黄味を帯びています。花の形状は、がく4列、花冠は深く4列、雄しべ2本、雌しべ1本、雌雄異株です。日本には雄木ばかりで子房は退化し結実しません。

 和名のキンモクセイは、ギンモクセイO.fragrans Lour. var.fragransの花が白であることに対し、橙色の花を金に例えたことから名付けられたそうです。また、樹皮の様子が犀(サイ)の皮膚に似ている事と、金色の花を咲かせることから金木犀となったとも言われています。中国ではギンモクセイを桂花といい、性味は辛温、痰を除き、瘀を散らすとされています。属名の学名「Osmanthus(オスマンサス)」は、ギリシア語の「osme(香り)」と「anthos(花)」が語源です。

 キンモクセイの薬用部位は花で、薬効は胃炎低血圧症、不眠症です。木の下にビニールシートを敷き、落ちて来た花を集めて陰干しにしたものが生薬モクセイ(木犀)です。食品としての利用は、乾燥した花30~50 gを焼酎1.8 Lに入れ、3ヶ月ほど冷暗所に置き、胃の調子が悪い時、盃に一杯ほど水か湯に薄めて飲むと良いそうです。他にも、白ワインに漬けたものが桂花陳酒ケイファチンシュ/ケイカチンシュ)として売られています。また、桂花茶ケイカチャ)は、キンモクセイの花を乾燥させたものです。甘い香りが高く、そのまま煎じたり、紅茶烏龍茶などに混ぜたりします。

 キンモクセイの橙色の正体はカロテノイドです。実は、この色がキンモクセイの香りに関係しています。キンモクセイの花弁に含まれるカロテノイドが、カロテノイド酸化開裂酵素に分解され、イオノンを産生します。イオノンはスミレ精油などにも含まれる甘い香りの精油成分です。その為、橙色が濃い花は香りが強いのです。また、この酵素の活動は午前中に活発になり、夕方以降は落ち着きます。通勤、通学路にキンモクセイがありましたら、行きは秋の香りを胸一杯に吸い込んで1日頑張り、帰りはほのかに漂う甘い香りに癒されてみてはいかがでしょうか。

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