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インランド・エンパイア リンチ監督の名作?迷作?

2007年08月12日 18:47

インランド・エンパイア リンチ監督の名作?迷作?

さて、恵比寿で「インランド・エンパイア」を見てきました。
 なんたって、3時間の映画です。
 いきなり、ウサギが洋服着て生活している場面から始まります。しかも、それは爆笑もののテレビ映画のようでもあります。さらに、その場面を見ている女性が泣いています。
 話はかわって、ハリウッド女優ニッキー(ブルー・ベルベッドで大口をあけてわめいたあの女優ローラ・ダーンです)は夫のピオトルケと豪邸に住んでいますが、そこへ変な老婆(近くに越してきたといっています)が訪ねてきて、ニッキーが役を得るであろう映画でおぞましい殺人が起きることを予言します。
 ニッキーは無事映画「暗い明日の空の上で high inbluetomorrow」の主演を得ることができます。この映画は不倫の映画なのですが、ニッキーは次第に現実と虚構の区別がつかなくなり、相手の男優デヴォン(ジャスティン・セロー)と不倫してしまうのです。
 ところで、この映画はもともとはポーランドの映画「47」のリメイクで、「47」の撮影は主演俳優が殺されてお蔵入りになったといういわくつきの映画なのです。
 映画は現実のリッキーの世界、「暗い明日の空の上で」の世界、ポーランドの世界、ウサギの世界などなどをつぎつぎと関連なく描写します。
 映画の中ではスーザン(ニッキーが演じているはず)は不倫相手の家に乗り込み、その相手の妻に殴られ、時代がどういうわけか変わって、ファントムという夫から暴力を受けています。そのうらみつらみをスーザンは肥満メガネ男に暗い部屋の中で訴えているのですが、その男もどこかと連絡をとりあっているのです。
 スーザンはドライバーを手にしてふらふらと通りを歩くのですが、逆に不倫相手の妻であるドリスに刺殺されるのです(この臨終のシーンで祐木奈江が出てきます)。
 ここで・・・・という声が・・・・
 ところがニッキーは・・・。
 複数の世界は絡み合い・・・・。
 ラストはエンド・ロールとともに出演者が一度に登場し、踊り、歌い、笑っています。

 この映画に筋があるのかどうかも疑問です。
 おそらく、現代美術のなかに物語性を拒否するものがあるのと同様に、この映画も、容易に物語を読み取ることを拒否しています。ただ、まったくノイズというわけではなく、ゆるい物語性、ゆるい関連性があります。それが統合失調症連想のようでありながら、関連性がある程度保たれていることで、我々一般人でも了解することが部分的に可能となっているのでしょう。
 フランシスベーコンの絵のようでもあります。
 近いうちにまた見に行こうと思います。

このデジログへのコメント

  • rinko 2007年09月12日 08:31

    マルホランド・ドライブがすっごいすきなので、これも、みにいこうと思ってます。。

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