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逢ふこのとの 絶えてしなくはーー

2023年01月06日 15:19

逢ふこのとの 絶えてしなくはーー

私の書作品より
百人一首第44番より

   逢ふことの  絶えてしなくは  なかなかに
  (逢事こと能)(多盈てしなく八)(な可、、二)
    人をも身をも 恨みざらまし
   (人をも身越毛)(う羅三佐ら万志)

  中納言朝忠の歌 『拾遺集』恋一・678

 
参考サイト【百人一首講座】より転載しました。
http://www.ogurasansou.co.jp/site/hyakunin/044.html
人間、誰しも追っかけてくる人には興味がないものですが、な
かなか振り向いてくれない人には、「なによ、あんな奴」なんて思いながらも、かえって惹かれるものです。
美男美女にはクールさがつきもの。これが全然相手にされなければあきらめもつくものですが、ほんのたま~に優しい言葉でもかけられるものなら、麻薬のように恋におぼれてしまうことでしょう。
今回の歌は、そういう恋愛感情本質をするどく突いた
一首です。

■□■ 現代語訳 ■□■
  
もし逢うことが絶対にないのならば、かえってあの人のつれな
さも、我が身の辛い運命も恨むことはしないのに。(そんなに滅多に逢えないなんて)
 
■□■ ことば ■□■

 【逢ふこと】
 男女の逢瀬のことです。
 【絶えてしなくは】
 「絶えて」は副詞で、下に打消しの語を加えて強い否定「絶対に~しない」を表します。「し」は強意の間投助詞です。「なくは」は下の句の「まし」とともに、「…なくは …まし」(…なければ …だろうに)という「反実仮想」の構文を作ります。
 反実仮想とは、現実と違うシチュエーションを思い描いて、結果を予想する文章です。
【なかなかに】「かえって」とか「なまじっか」という意味で、物事が中途半端
なので、むしろ現状とは反対の方がよいという感じを表しています。
 【人をも身をも】
「人」は相手のことで、「身」は自分のことです。「も」は並列の係助詞で、「相手の不実をも、自分の辛い運命も」という意味になります。
 【恨みざらまし】
 「恨むことはしないだろうに」という意味で、「ざら」は打消の助動詞「ず」の未然

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