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怪談本

2019年07月14日 21:26

今年も怪談本の季節がやってきました。

今年は岩井志麻子の「忌まわ昔」からスタート
去年百物語シリーズが完結して、今年実話怪談の新シリーズスタートという触れ込みだったので読んでみたら・・実話じゃないじゃん。
小説やん。これは空振りだった。

次は小池壮彦の「東京幽霊事件」。
小池さん怪談はメチャクチャ怖くて面白い
この人の話は考えつくような出来事ではなくて、なんだそりゃみたいな不可思議な現象だからゾッとする。
でも、ここ数年は心霊現象そのものよりもその背景や歴史を調査する方向の著作なので面白いかどうかは人によって分かれると思う。怖い話というジャンルからは外れる。

「昭和・平成オカルト読本」。これは怖い話の本では全くなくて、タイトル通り昭和・平成に話題になったオカルト関連の事件をまとめたもの。資料的に貴重で面白いけど、興味ない人、若い人には面白いかどうか。

「108怪談」。川奈まり子の新作。これはまだ読んでない。

「忌み地」。今のところ今年の最高傑作。
怪談小説家の福澤徹三と怪談社の二人との奇跡コラボ作品。あの事故物件サイトの大島てるが日本最悪の事故物件という北九州マンション。実はこのマンションの周辺では連続殺人集団自殺が複数起きている。おかしいのはマンションではなくて、その土地そのものがおかしいのではないか?という疑問から怪談社の二人が取材をし、福澤徹三がそれをまとめたもの。

これは圧巻だった、一日で読んでしまったよ。
最悪マンション集団自殺マンションのすぐそばにある、全ての部屋のドアと窓が板で打ち付けられ階段には鉄条網が張り巡らせてあるアパートの話とか。
取材する怪談社の二人に近所の人誰もが絶対にあの中には入るな、と忠告する。
入ったら連れて行かれるから、と。

そして判明するこの土地の驚愕の歴史。

これは面白かった。で、その土地の由来を見て思ったんだけど、神経に影響する物質が地面に埋まってるんじゃないのかな。
そこの住人の家の下に穴が開いてて、そのを調べに入ってみたら、奥から昔首を吊った女が出てきた、なんて話は間違いなく幻覚なんだけど、要は地下に幻覚を見せるようなガスかなんかがあるんじゃないか?

要はこの土地炭鉱を埋めた跡地なんですよ。


と、まあ、色々と考えさせられる本でした。これは当り。

今月はあと福澤徹三と川奈まり子の本が一冊ずつ出て、来月は怪談狩りシリーズが一冊でる。

今年はこんなものか。

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