The Good Wife

アメリカTVドラマ、ここでかなり紹介してきましが、「The Good Wife」が抜けていました。
この作品、最初に見たのは、もう5-6年前頃になるかなと思いますが、ここ最近またAmazonでも放映されているのでちょくちょく見ることに。

弁護士事務所を中心にした法律ドラマで、弁護士や検察官、被告人が登場人物になり、そこに浮気や不倫、嫉妬などがからむ人間ドラマが展開されるわけですが、事件や法廷のやりとりと、人間ドラマが結構いいバランスで保たれていて、両方楽しめるつくりになっています。

ですが、この作品を数ある法律ドラマと違うものにしているのは、ヒロインの女性弁護士アリシアの夫である州検事ピーターがセックススキャンダルで逮捕、収監されるという特異な事件を柱に設定し、ドラマ性を高めていることだけでなく、登場人物の造形力が優れていて、その人間臭さに共感する度合いが高いことと、なにより登場人物たちの会話（セリフ）のセンスが、ユーモアと皮肉の点で卓越しているところだと思います。

セリフは結局脚本の力ということになりますが、この作品の製作総指揮はあの名作「エイリアン」を撮ったリドリー・スコットと弟トニー・スコットで、なるほど道理で、と合点がいきました。脚本にもきっちり彼らのチェックが入っているのでしょう。

この作品のセリフのレベルの高さは、日本のドラマと比べると、残念ながら大人と子供の違いほどあります。ユーモアと皮肉に加え、さらに相手の性格や人間性を暴く鋭さ、緊張感が盛り込まれています。つまり次の会話、次の展開をつい期待させる力があるということになります。

ですから、この作品には軽妙洒脱な大人のドラマを見る楽しみがあります。
2009年から2016年まで放映された長寿ドラマで、シーズン7まであります。機会があればぜひ見てください。オススメします。

ところで、この作品のスピンオフ作品がすでに放映されていて、タイトルは「The Good Fight」で、主人公はアリシアの上司で法律事務所の所長、ダイアン・ロックハートです。
数回分見ましたが、これも秀逸です。というか、もともと「The Good Wife」の魅力の半分は、実はこの人物だったのではないかと思えるほどキャラが立っていたので、当然かもしれません。ですので、ダイアンの魅力も味わってください。