気骨

卑怯者だ卑劣だと気が滅入るニュースばかりの昨今。


そうでもない事件がありました。


https://www.sankei.com/smp/affairs/news/190202/afr1902020010-s1.html


泉 房穂明石市長の辞任。


この事件ね、メディアの大概は市長が暴言を吐いた、いう部分しか伝えていません。



それだけ聞けば何じゃこいつ、辞めて当然、と思います。




しかし、こんな情報に触れると心証が一転します。


https://www.mbs.jp/news/sp/kansainews/20190201/GE000000000000026400.shtml

（引用）

　「あそこの角で人が巻き込まれて死んだわけでしょ。だから拡幅するんでしょ。

私が行って（地権者に）土下座でもしますわ。市民の安全のためやないか」（明石市　泉房穂市長）

　（市民の声、女性）「暴言に続きがあって、すごく明石のことを思って熱い方なんだなと。

逆に高感度が上がった。子育てもすごくしやすくなって、感謝している部分があった」

（引用終わり）



https://news.yahoo.co.jp/byline/yamamotoichiro/20190129-00112928/

（引用）
市長、ブチ切れであります。暴言はほんといけませんよね。暴言なんて吐いたことのない私がそう思うんですから、読者もみんなきっとそう思っていると感じます。

　でもですね、全文読むと、市長の真意は「道の狭い角で交通事故があり、女性が亡くなったから、道路の拡幅をしなければならないのに、明石市役所の担当者が7年近く放置してきたので、市長がブチ切れている」のが分かります。

ブチ切れて暴言を吐くのはいかんと思いつつ、その目線は「市民の安全のために、役人が働かないことに対する怒り」である以上、これってむしろ素晴らしい市長さんなんじゃないの？　市民の安全のために役所がしっかり動くよう激励してブチ切れてとにかく仕事を進めようという気魄さえ感じるわけですよ。

　さらには「２人が行って難しければ、私が行きますけど。私が行って土下座でもしますわ」とまで言っています。部下の不始末を見て、彼らの責任を厳しく叱責するだけでなく、駄目だったら自分が現地に行って土下座でもするとまで伝えているのです。良い上司じゃないですか。

　その割には土下座する相手の物件を「きょう火付けてこい。燃やしてしまえ」とか言っているあたり市長の前のめり感もあるわけですが、これ、あくまで市民目線、市民の安全のためにこの拡幅工事が必要だ、用地買収を早く進めなければならないという責任感によって出た言葉だとするならば、むしろ人間臭く、明石市民のために働く市長と言えるんじゃないでしょうか。

（引用終わり）


わしはこうしたメディアを通じての情報しかないことをお断りした上で意見を述べさせてもらうなら、わしも同意見です。


そしてわしが美しいと感じたのはその引き際。


意図はどうあれ、自分の発言の非を認め辞任。



これぞ日本の男、という潔さじゃありませんか。


わしは感激しました。



何ともやり切れない気持ちにさせられるニュースが多い昨今にあり、この国はまだ日本であると感じさせてくれる事件でした。



泉市長、選挙という禊を経て、また公職に復帰してください。


我が国はあなたのような男を必要としています。