趣味は読書、入浴の甘い誘惑

繰り返すが、今のところに引っ越して、まる2年が経った。
この部屋はユニットバスだったので、冬でも、シャワーだけなのが、最近まで常だった。
前に住んでいた家は団地で、ガス風呂があった。
今の部屋に入居したての頃、一度風呂に入ったが、どうも風呂の外で体を洗えないのに、相当違和感を感じ、ずっとシャワーだった。
しかし、今年の冬のある日、久々に湯船に体を浸したら、気持ちが良くて、それ以後、ほぼ毎日入浴している。
当たり前と言えば当たり前のことなのだが、それが最近まで、変な抵抗があって出来なかったのだ。
シャワーよりはガス代、水道代はかかるだろう。
かつて、両親が健在で養われていた頃、決して豊かではなかったというよりは、貧しい暮らしだったが、食事を抜いたことも、風呂に入れなかったことも無かった。家に帰れば、なにがしかのおやつもあったのだ。
家族もなくなり、ある意味気楽な一人暮らしの筈なのに、暮らしに行き詰まって、光熱費や家賃を滞納して果ては、止まってしまったこともある。
一人自分を律するのは、案外難しいのである。
ともかく、最近では、風呂に湯が溜まるのを待つのが、何よりの楽しみなのである。
ただ、温かいお湯に体を浸すだけなのがなのが、何でそんなに心地よいのか、自分でも、分かっていない。