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少しイケメンになったおじさん

2016年11月30日 08:06

少しイケメンになったおじさん

ちょっと私にしては間が空いたんですが、映画を観てきました。
「ぼくのおじさん」です。

小学生の頃、この原作本を図書館で借りて読み、とてもおもしろくて感銘を受けました。
それが北杜夫氏との出会いでした。
主人公のおじさんは北杜夫氏自身がモデルだと知り、すっかりファンになった私は、どくとるマンボウシリーズなど、北杜夫氏の小説をたくさん読みました。
のちに北杜夫氏が熱烈な阪神ファンと知った際は衝撃を受けましたが(笑)、そういうことは関係なく、彼の作品は面白くて大好きでした。

そんな子供の頃の思いを抱いたまま、映画鑑賞をするにあたり、多少の懸念がありました。
それは「おじさんがかっこよすぎないか?」ということでした。
主演の松田龍平さんは普通にイケメンですが、私の中でのおじさんは、とにかくダサくてパッとしないグータラなイメージだったので、設定に無理があるんではないかと。
まあ、当時読んだ小説挿絵のおじさんのイメージが大きいんですけど。
よく考えたら、小説漫画と違ってビジュアルは読み手の自由なので、特にキャラを固定する必要はないんですよね。
それでも松田龍平さんだとかっこよすぎる気がしたのです。

で、実際に観てどうだったかというと。
確かにかっこよすぎではあったけど、松田さんの演技が素晴らしかったこともあって、イメージ的にはピッタリでした。
イケメン松田さんが、さえないおじさんの味をしっかり出してくれていました。
また、原作の時代背景が昭和であることもあって、全体に流れる昭和チックな空気感がなんともマッタリしてよかったです。
北杜夫ワールドがイイ感じで表現されていると思いました。

派手ではないし、レビューもそんなによくないんですが、心が温まることだけは保証します。
個人的には、名作でした。

原作とは終わり方が異なっているんですが、雰囲気的に続編がありそうな感じでした。
もし続編を作るなら、ぜひとも同じキャストで作っていただきたいと思います。
子役の少年が大きくなりすぎないうちに、早めに観たいですね。

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