- 名前
- 渡辺すみれ
- 性別
- ♀
- 年齢
- 51歳
- 住所
- 埼玉
- 自己紹介
- こんにちは、見知らぬあなたへ。 渡辺菫(すみれ)と申します。 とてものんびりした性格...
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私は苦痛に近いものを感じた
2016年11月04日 08:03
・とぅいったー
・へーすぼっこ
ってところでしょうかねー。
良くいくサイトといえど、自分が何かをアップするかといえばほとんどしてないです。
昔よく見ていた、いまはもう消滅したサイトの残骸をみつけたのでご紹介。
残骸というか、とある著書の抜粋だけれど。
おいとましようと、私は一足さきに玄関に立っていた。折口先生と話しながら出て来られた柳田先生が、私をよびとめて、
「加藤君、牝鶏になっちゃいけませんよ」と、ふいに言われた。
牝鶏ということばの異様さに、私はぎょっとした。土間に下りていた折口先生の表情が、みるみる蒼白になった。じっとうつむいたまま、立ちすくんでいられる。
柳田先生は、なにげない表情で外を見ていた。しばらくして、かすかに頭を下げると、折口先生はにじるようにドアを出た。
ほの暗くなった道に、ごろごろしている小石だけが、妙に目についた。
屋敷の垣根に沿って、とぼとぼ歩いていた先生が、ふと立ちどまった。
「柳田先生のおっしゃった意味が、わからない」悲しそうに首をふった。
「柳田先生は、いつもぼくをいじめなさる。ぼくのだいじにしている弟子を、みんな取ってしまわれる」ほとんど泣きべそをかくような声であった。
私は理由なしに、折口先生が生涯慕いつづけられたのは、柳田先生ではないか、と思った。愛されたくて、愛されたくて、しかもその思いのとどかぬことを、悲しんでいられるのではないかと思った。
その夜、遅くまで先生は書斎から出られなかった。いつもは、先にやすむように仰しゃるのだが、それもなかった。食事もほんの形だけしか口にされていない。
(中略)
「ひどく疲れた。もう寝ようか」立ち上りかけたが、急に真剣な表情になって、
「同性愛を変態だと世間では言うけれど、そんなことはない。男女の間の愛情よりも、純粋だと思う。変態と考えるのは、常識論にすぎない」きっぱりした語調だった。
「柳田先生のおっしゃった意味は、ぼくには良くわからないけれど、師弟というものは、そこまでゆかないと、完全ではないのだ。単に師匠の学説をうけつぐと言うのでは、巧利的なことになってしまう」
私は苦痛に近いものを感じた。
加藤守雄「わが師 折口信夫」
昭和42年6月
折口先生というのは折口信夫。柳田先生というのは柳田國男。
上記の抜粋のオチ、「私は苦痛に近いものを感じた。」という加藤先生の本音。
最高だ 笑
私はこのくだりが好きで好きで何度も読み返してしまう。
冒頭に出てくる「雌鶏」という表現。これはアナルセックスを意味する鶏姦から連想した言葉だと言われてる。
著者の加藤先生は折口先生と同居してなお同衾することを頑なに拒んだ人。(たしかそう)
民俗学者の赤松啓介さんによると、日本の民俗学の父と呼ばれる柳田先生は、夜這いや混浴、男色の習慣など、西洋人から野蛮と非難される日本の伝統的な性風俗を徹底して隠蔽し、なかったものにしようと企て、当然のことながら男色を嫌っていて、わざと折口先生のいる前でそんなことをいったのです。
もうねえ、たまりませんわ 笑
画像は在りし日の折口先生(左)と、養子入籍をして事実上の配偶者であった折口(旧姓藤井)春洋先生(右)。
このデジログへのコメント
うひぉーーw
最後の解説を読んでから、もう一度じっくりと読み直してみました。
最後のオチ(笑)
なんか体がゾワゾワっとしました(>ω<)
> レプリカさん
そういうカンケーにならないと師弟が完全ではないという考え。
それを聞いてウンザリしてしまう著者。
このシーン想像するだけで丼飯三杯いけますわー 笑
ゾワゾワ~♪
折口信夫、婆さん顔だな。もたいまさこに似てなくもない。
> 八雲放浪記さん
似てる! すごい似てますよ!
この写真だけじゃなくて、残されているいろんな写真も似てるから
実物もそんな感じなのでしょうね。
そっかぁ、もたいまさこだったかぁ すっきりしました。
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