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サバンナ

2016年06月02日 20:51

煩悩
ふって湧くクソの泉。

この世におぎゃーと産声を上げてから、一生のうちに何度となくもがき、苦しみ、生涯を共にする。
人生とは切っても切れないもの。


先日、ボクの友人と会った。
結論から言うと、その人はバカの超S級ライセンスを持っている。

超S級のバカといわれても、なかなかピンとこない方も多いだろう。
当然です。
正常です。
日常にそうそういてもらっては困る部類のものなので。


①空の牛乳ビンに、自らのマイサンをコンニチワさせる。

②大変!サヨウナラ出来なくなってしまった。

③石けん使ってもダメだ…

④そうだ!ビンを割ってしまおう。

⑤アウチ!破片がマイサンに!!

⑥全治3週間。


そう。
超S級とは、痛みの試練に耐えて初めて手にできる。
凡人では習得出来ない、先天的なものがきらめく、そんな選ばれた人種なのだ。


そんな彼が、突然英語を習いたいと言い始めた。
海外生活の経験があったボクに、色々と話を聞いてみたかったらしい。
一応その理由を聞いてみる。
そこで僕は強烈な衝撃に身を打たれる。松田聖子ヨロシク。


海外でもいくのかい?」

「いかないよ(全力笑顔)!」

「じゃあなんで?金髪が目当てか、このゲス野郎!」

「おしいなぁ~。DVDがもっと沢山ほしくってさ。」

「ん?」


…つまりこういう事だ。
彼が最近ハマっているいかがわしいビデオ屋があるらしいのだが、
どうやらそこの店員が外人らしく、いつも値下げ交渉にくじけてしまう。
なので英語を覚えて堂々と値下げ交渉したい。
他の客にはつけてるオマケを俺にもよこせ!!

という、東京都にお住まいの男性(29歳)からの困ったお便りだった。

決して攻めの姿勢を崩さないS級に、爪の垢でも煎じて貰おうと、エサ待ちワンワンスタイルで戦いを挑むと、あるひとつの事実に行き着いた。


「しかし英語話せたからって、値下げは別じゃないかね?」

大丈夫!かなりフレンドリーだから!ヘ~イ、パク!ってね!!(全開笑顔)」

「…パクって、店員さん?」

「そう!胸にかいてあってさ!」



店員の胸についている名札には、カタカナ
「パク ソンウ」
と、書いてあったらしい。

ちなみに「ソンウ」は、ソンゴクウで覚えていたらしい。
でたらめだ。


「…彼はきっと韓国の人で、英語っちゅーより、韓国語なんじゃないか?」


嬉しそうに小脇にかかえた英会話入門上下巻が、一瞬ふるえる。


「え、だってハングルって言ってたよ!」


ボク自身も、かなりのゲスバカ野郎だと自負しているつもりだったが、アッサリ負けてしまった。

なんなんだ、この悔しさは?
嫉妬感すら覚えてしまう。


首を傾げ、不満げながらもピンサロキャッチにモテまくる彼。

彼のようなベテランでも、煩悩に翻弄される1人なのかもしれない。

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