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好きなものと嫌いなものって、紙一重だと思う

2016年05月13日 23:58

今日の沖縄は、よく晴れた。
夏の始まりを感じさせる強い日差し
太陽の光を受け、キラキラと輝く海。
どこまでも爽やかな潮風。

これから梅雨が始まることなど少しも感じさせない、そんなアーリーモーニング



なんだあれは

ネグリジェのオバちゃんが道端で横たわっている。

セイウチか。
いや、トドかもしれない。
昔あるじいさんに聞かされた事がある。

「にいちゃんさ、飲み過ぎてよ、朝までグデグデになって、もうやってらんねーってなっちゃった朝によ、たまに見えんだよ、妖怪がさ。ありゃあ恐ろしいなんてもんじゃねえよ!」


きっと、遠い遠い昔、遠い北の海で先住民族に捕獲されたトドが、「もうやってらんねー、ちょっと有給いただきまーす」っつって、この沖縄でようやくバカンスを楽しんでいるのだろう。

そうだ、そうだそうだ。
だって沖縄ジュゴンだもんね。
人魚伝説で有名なジュゴンだもんね。
人魚ネグリジェ着ないし。

そうだそうだ…
てゆーか、俺そんな飲んでねえよ、昨日。


車を降りて、タバコに火をつけ、気を落ち着かせる。
さて、警察救急車か、いやその前に生存確認だろう。
そんなことを考えながらも、あまりに清々しい朝を感じさせる晴天ぶりに、さっきまで聴いていたスティービーワンダーが頭から離れない。
乾いたハーモニカ音が響く。


きっと、今この瞬間、世界で一番シュールな現場に居合わせていることを確認し、そっとタバコの火を消す。
俺も人間だ。
人類が殺めたトドの霊を、慰める責任がある。


そう思った時だった。
モゾモゾとトドが起き上がった。

自分の命を奪った人類が、自分に慈悲の念を持って近づこうとしている事に気付いたか?
大自然と生命の怒りを、俺にぶつけようというのか?
俺にはお前の世話はできん!


しかし、トドは俺の意に反して、すぐ傍にあった民家へ入っていく。

やめろ!
見た感じ小さい子がいる家っぽい!
若い、有望な少年少女を手にかけるには勘弁しろ!
もう面倒見るから!




トドが片手にブルーシートを持って民家から出てくる。
おもむろにさっきまで寝転がっていたアスファルトの上に、ブルーシートを敷く。
そして再び、アンダー ザ サン。


アスファルトは暑かったのだろう。
こんがり焼けたら、故郷の海に還ってくださいね。

ありがとう、人類は君に生かされてます。

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