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見えてきた取り戻したい日本

2014年05月31日 17:03

「日本を取り戻す」は、安倍晋三自民党総裁選挙コピーであった。
 日本経済は失速し、東日本大震災で右往左往する政財界中国尖閣諸島へのちょっかいに対応しきれない政府民主党。こうした背景に、早い結論が出せるリーダーのもと、強い日本を取り戻して欲しいという願望が国民に生まれ、自民党政権奪取した。安倍総裁は、安倍総理になる。
 「このまま行くと、戦争をする国になりますよ」と、飲み話の中で言ったことがある。飲み相手は、「民主主義のここまで進んだ日本の国民は、それほど馬鹿じゃない」と応えた。しかし、今ここに来て、日本の民主主義の底が見えてきた。やはり、根付いてはいなかった。自分たちで勝ち取ったものでなかったから、簡単に手放してしまうのだろう。
「日本を取り戻す」の本当の意味は、戦前の日本にすることだったようだ。
 現行憲法は、押しつけられたものだ。だから自分たちで作らなければならない。明治憲法は、自分たちで作ったものだから、いい憲法なのだ。と、彼らは言いたいようだ。
押しつけられたからダメなんだという論法は、本当に正しいのか。
 日本は戦争に負けて、農地改革を迫られた。地主小作の関係は消滅する。財閥解体され、労働組合が合法化され、資本家労働者との関係も改善された。これは押しつけられてできたことである。押しつけられなかったら、できていなかったことである。こうしたことの裏付けとなる、主権在民基本的人権さらに平和主義憲法は、本当にダメなのか。アベノミクスは、貧富差を生み出すことに拍車を掛けている。国民生活も、戦前回帰に進んでいる。
 自己改革できない者には、押しつけは必要だったと考えるのはダメなのだろうか。そして、戦前の日本が良かったと国民は本当に思っているのだろうか。

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