好きになった理由

好きになった理由

凛として背筋を伸ばし、大またで歩く姿
全てを知っているようにまっすぐに迷うことの無い言葉
優しく温かく包み込むその瞳
何もかも忘れてしまうような心に染み込むその笑顔
僕はあなたのどこを好きになったのかわからない
今になれば、全てが思いの対象になっているけど
最初に好きになったことがわからない



雪の降るイブの夕方
雑居ビルのエレベーターの中で初めてしたKISS
あなたは思いもかけなかったと言ってたね
僕も思いもかけない行動だったんだよ
だけど、小さな密室の中で突然あなたが愛しくなった
身体の奥のほうから気持ちが溢れてきた
気が付けばあなたを抱きしめていたんだ
あなたの手が僕の背中に回っていたのを感じながら
僕は恋に落ちていったんだ
それから一週間ののち
僕たちはお互い告白することもなく付き合い始め
あなたはいつも僕のそばにいてくれてたね



あなたを好きになった理由
それはいまでもわからない
ただ・・・・・
当たり前のようにあなたが僕の身体の中に入ってきて
小さな温もりを残していったあのイブの夕方
窓の外はボタン雪で見えないくらいになっていたけど
小さな温もりが僕の心を寒さから守ってくれていた
僕はいまでもその小さな温もりを大切にしています

季節外れのきょう、突然思い出したあなたの笑顔



あなたが幸せでありますように・・・