誕生日には

　「この野郎！」と、怒りがたまるツボがある。私の彼氏はその『怒りのツボ』をつく達人だ。

　それは昨日の深夜3時…つまり日付的には「今日」の話。遠連の彼と電話でおしゃべりしていたときのこと。

　私は、友人たちに誕生日パーティを開いてもらえることになった。うっれしいな♪
　そう思って、遠恋の彼に、「誕生日パーティを今日、開いてもらうの」といった。
　彼は、「あ！！！」
　っといってしばらく黙った。そして、いきなり早口で
　　　「うん。覚えてるよ。覚えてる。今日は記念すべき　かすみの誕生日…」

　といいながら、何かをめくる音が電話の向こうでする。

　ちなみに、私の誕生日は、今日じゃない。友人たちの都合があって、集まることが出来る日が今日しかないので今日誕生日を祝ってもらうだけだ。

　チャラリッチャリー
　　　　　　　彼は、かすみの怒りを２ポイントゲットした。

　（まぁ、誕生日なんて覚えてなくて当然かなぁ…）
　そう、思ったので、まあ、そこは、笑いながら
「違うよ。うちの誕生日は…」
　といいかけた瞬間。彼は叫んだ。

　「あ！かすみ、明日誕生日じゃないジャン！！１週間くらい前倒し！！」

　人の話をさえぎりやがって。　チャラリッチャリー　
　　　　　　　　　　彼はかすみの怒りを１ポイントゲットした。

　そしおて、彼はつずけた。
　　「あぁ、よかった。カレンダーに書いといて。１７日だな。」

　１７日…それは、前の彼女の誕生日だった。
　一気に、持ちきれないほどのかすみの怒りを手にした彼のその後は知らない。