季節の恵み

「今住んでいる町では食べたいものが手に入らない｡」
そういう私の嘆きを聞いて
実家の母はまめにいろんなものを送ってくれる｡
野菜、乾物、お漬物、お湯葉、佃煮などなど｡

生まれ育った所で採れたもので旬を感じる｡
何より幸せです｡

今夜は食卓に賀茂茄子の田楽がのりました｡
賀茂茄子ってご存知ですか？
野球ボールくらいのまん丸のお茄子です｡
上下二つに切って水にさらし、
火が通りやすいようにフォークで
プツプツ穴をあけて、
サラダ油でじっくりと焼きます｡
皮がこんがりぱりっとしたくらいが出来上がり｡
私はちょっと芯が硬いくらいのほうが好み｡
田楽味噌をたっぷり塗っていただきます｡
茄子のうまみと水分が身体の中に染み渡っていきます｡
子供の頃はそれほど好きではなく、
味噌ばかり舐めていて怒られていたことを思い出します｡

大人になるとその独特のうまみが分かるようになる食材ってありますよね｡
茄子って味があるようでないようで、
食感もいまいちだし好きじゃなかったな｡

明日は菊かぼちゃを炊こうか？
西洋かぼちゃではなくて少し小ぶりの
日本古来の品種です｡
真上から見ると本当に菊の花が咲いたよう｡
菊のご紋のように深い皺がきれいに刻まれています｡
座った姿が私にはおたふくさんが笑ってる様子に見えてならない｡

たっぷりの出し汁で炊いて、
ちょっと冷蔵庫で冷やして食べると
喉元が涼しくてきっと気持ちいいはず｡