しがない洋菓子店のお話

俺はしがない洋菓子店で働いてる人なんだけど、やっぱいろんなお客がいるわけ。

で、その中でもとりわけユニークなお客さんがいるんだけど少し紹介しようと思う。

一人は仮面ライダー
よくお祭りとかで売ってるお面をつけてくる男の子、小学校1年生っていってた。

それで俺の中でつけたあだ名が仮面ライダー。

何でかっていうとはじめてこの子がきたときクッキー並べてた俺にいきなりとび蹴り入れてきたせい。もちろんお面つけて。
もう完全に仮面ライダー、俺悪役。
キックで倒されたから多分結構強い敵だと思ったんだと思う。
キィー！とか言いそうになったけど言わなかった、雑魚じゃないからね。

男の子「クッキーください！！！」

元気すぎ、もうね蹴ったこと絶対忘れてる。
俺も負けずに「よくきたな仮面ライダー！」
とか言ったの、そうしたら後ろで他のお客さんがクスクス笑ってんのね。
でも、いまは地球をかけた命がけの戦いが始まろうとしてるわけ。
気にしていられない。

で、戦いに勝利してクッキーをお買い上げになられた仮面ライダー。マドレーヌも好きだっていうからサービスしてやったらご機嫌で帰ってった。

そんなことがあってからはや1年、いまでもちょくちょくくるけどマドレーヌは毎回タダであげてる。

店長にばれたら多分怒られる。

でも地球の平和を守ってくれてるんだからこれくらいはきっと大丈夫だよね