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南の島のホテルにて 遣い残された青春

2012年09月18日 12:47

ホテルに着いて2日目の朝、

まだ寝ている彼女

「散歩してくる」と言って部屋を出る

「あたし、寝ているかも知れないから鍵持って行って」

オートロックホテルだったが、戻ってきたとき何か挟んであって開いていた

シャワーの音が聞こえていた

「帰ってきた?あたしシャワー浴びているから待ってて」

しばらくしてバスタオルに身を包んだ彼女が出てきた

濡れた髪を拭きながら僕の立っている傍にきて立ち止まる

手を伸ばせば届く距離だった

そのまま抱きしめてしまえばいい

彼女は目を閉じたまま髪に手をやっている

僕は勇気がなかった、その場にいたたまれなくなって離れてしまった。



それから彼女の機嫌の悪いこと

旅行中機嫌の直ることはなかった。





栗色の長い髪、背が高く美しいプロポーション目の覚めるような美人だった。

こんな美しい女性がそれまで女性と付き合ったことがない僕と

付き合うことになるとは信じられなかった。

「どうしてあたしなんかに声かけたんですか?」

「綺麗だから」

初めは真っ直ぐ彼女を見ることが出来なかった


1,2回会ったあとすぐに彼女の家に連れて行かれた

「すごくいい人だねって」

「初めてよ、男の子連れてきて褒められたの」


毎日のように会って食事、彼女を送っていって帰ってくる。

初め僕はバイクに乗っていたが免許を取ってから

車にした毎晩夜の東京彼女を乗せて走り回った



次の夏に軽井沢へ、次の冬に京都に行った


彼女は美しかったが我侭だった。


別れるとき、抱きたいと言おうと思ったが止めた。

「あたしたち、何の関係もないんだね」と彼女が言った

「友達でずっと付き合っていちゃだめなの?」

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