Mas Que Nada

マシュケナダと読みますな。
セルジオメンデスとブラジル66のヒットナンバー
ボサノバ風味では、「イパネマの娘」の方が有名やけど、ま、思い出の曲ということで<(_ _)>

高校までは四国の辺境で育ち、大阪万博の年に都会へ出てきました。
中学の頃は、まだ家電の３種の神器さえ珍しく、家には冷蔵庫など無かった時代。
ましてステレオなどは相当な贅沢・嗜好品で、学校を除くと、おらが村には２台くらいしか無かった。
しかし、どういうわけかそのうちの１台が家にあったのよ。
（父の仕事の関連の試供物だったらしい）。
しかしステレオとは言っても、スピーカーが２つ付いてるというだけ。
CDじゃなく、レコードを廻して音を出すという、今のコンポよりもうんと劣る代物。

おらが村にはレコード店などは無く、音楽を聴きたければ、隣の市まで買いに行くしかない。
まあ、金もないし、お気に入りの音楽があるわけでもないので、ＮＨＫ・ＦＭばかり聴いとりました。
ビートルズの全盛期だったらしいけど、そんなことも全然知りまへん。

夜中、といっても夜の９時くらいに、週１回「ラテンアワー」とかいう番組があり、それをよく聴いたもの。
で、当時大流行のこの曲を自然覚えたわけでんな。
生涯で、２枚目に買ったのが、このレコード。
同級生が遊びに来たら、家にたった２枚しかない内の１枚･･･このレコードを何度もかけて聴いたもんですわ。

同級生の中には、いわゆる不良少年グループもいて、窃盗・傷害で何度も補導された連中も混じっとりました。
しやけど、家に来た時に問題を起こされた事はありません。
不良連中は、別に音楽が好きなようでもなかったのですが、頭目格のＹ君が音楽好きだったらしく、みんな彼につられて大人しくしてた様です。

当時の事ですから、高校へ進学するのは、まだ珍しく、クラスの半数は中卒で就職か家業手伝い。
Ｙ君も不良連中もみな、集団就職で大阪へ就職して行きました。
で、高校の３年間は、彼らとは全く音沙汰なし。

大阪への進学が決まった３月末、知り合いも全然いないので、ふと思い出してＹ君に挨拶状を送ってみた。
４月、予定の学生寮へ入る。
と、入寮したばかりのその日に先輩から手紙を渡されました。
Ｙ君から
まだ、大阪に出向く前に送られたものらしく内容がちぐはぐ・・・なんで遊びにこないんや、とのお叱り。。
放出（ハナテン）という町に住んでるらしいのですが、それが何処やら見当もつかない。。

どうしたものかと困惑してる間に、翌日曜日、寮の館内放送の呼び出し。
僕にお客やて？？？

Ｙ君達でした。
マフラーなしのオートバイがざっと10台・・・無理やり乗せられてハナテンへ。
まあ、一日暴走族。。。あれは後ろに乗るとエライ怖いもんです。。。
別の暴走族風のグループと落ち合い、出入りか
と思ったら、原っぱで野球

一汗かいてＹ君の下宿へ。
３畳ほどの狭い中に、汚れた布団と豪華なステレオ。
パイオニアがどうのこうのと説明してくれるのですが、ちんぷんかんぷん。
ただ、部屋に似合わない高価なものであることは、見ればわかります。
そうして聴かせてくれたレコードはマシュケナダ。
あとのレコードも全部ラテンばっかり。
「お前に、いつも聴かされてたからな、ラテンしか聴けへんねん・・・」
泊まれって言うけど、一つ布団。。。三四郎じゃあるまいし。。。
帰りは電車にしました。

３カ月ほどして、またまた館内放送。Ｙ君たち。
「部屋どこや？」と、どすどす。
なんや重たそうな荷物もってみんなで運び入れる。
「あんな、俺ら、姫路に仕事行くねん。しばらく帰ってこうへんから、これお前にやるわ」
「いらんなら、捨ててな・・・」言い捨てて、爆音鳴らせて引き揚げ。

荷物ほどくと、Ｙ君のステレオセットとラテンのレコードいっぱい。
以来、消息不通でお礼も言えずじまい。
長年大事にしてたのに、結婚して引っ越した時、あんまり部屋が狭すぎて、
捨てざるを得ませんでした＿|￣|○

いまも、ラテンは大好きで、iPodの14%を占領してま└|∵|┐♪┌|∵|┘
↓　これは、映画、サルサ！
https://www.youtube.com/watch?v=JrtrjhMCAjQ