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降霊会の夜」を読みました

2012年04月08日 14:42

浅田次郎さんの「降霊会の夜」を読みました。



浅田さんと言えば、以前 「一刀斎夢録」を読まさせてもらいました。

久しぶりの作品です。





高原避暑地・別荘に住む初老の男性のところに、近所に住むという女性が雷の日に現れます。



物語は、この女性の紹介で、降霊士!?とその姪の4人による、降霊の儀式と並行して、主人公の過去の生い立ちがゆっくりと進捗していきます。



戦後の日本の復興期を幼少期として育った主人公。

登下校が一緒になった転校生には、何やら暗い影のようなものを感じます。

主人公と父親・祖父

主人公と転校生とその父親



少年期の男子が、友人を目の前で亡くし、思い出に心の蓋をしてしまう。

友人の心の苦しみに気が付いていながら、助けられなかったこと・・・。





時は流れ、少年は大学生に。

19歳

学生闘争真っ只中。

大学の授業はなく、ダンスパーティーに明け暮れている。

そのパーティーに現れた、場違いな清純系の女性と恋に落ちます。

彼女は、田舎から中卒で就職列車に乗って状況、工場住み込みで働きながら、夜間高校に通う。

百合子、彼女の名前。

大部屋女優のよう・・・。って、表現???







その百合子との半年後の別れ。

親友だった女友達の旅立ち。

主人公の傷心。

女友達の死。









自分の人生に関わった人間が、降霊会によって招かれて、思うことを話していきます。

本当に招きたかったのは百合子の霊だったのに・・・。

百合子と別れる際、「私死にます」の言葉が、重くのしかかった自分の人生。









次々と現れる、招かれざる客。

主人公は、その話しをただ聞いているだけ。



主人公は、それぞれの霊が熱く語ってくるほど、当時と同じように冷めている言葉しか口にできない。

本当は、日々孤独な中でずっと懺悔してきたはずなんですが。



アメリカに旅立った女友達が、再三求めた別れの言葉。

「さようなら」



主人公は、口にすることが最後までできませんでした。





そして、物語の最後に主人公は・・・。







言わないといけない言葉は、言わないといけないその時に・・・。

暗く重たい内容でしたが、人生を考える上では、いい機会になりました。





お勧め度は中ですが、40歳以上の男性には、特にお勧めします。

このデジログへのコメント

  • まゆ♪ 2012年04月09日 16:22

    何度も読み返して、味が分かるって感じなのかなー?「さようなら」って滅多に口に出来ない言葉ですよね☆

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