殺人パスタ

土曜日、作ったパスタをお客様に振舞ったらとても喜んでくれたけれど、失敗作だった。
いつかリベンジするが、もともと普通に食べられるものだし、やり直して格段に味が良くなるわけでもなく。

パスタは特別なものではなく、市販の安いパスタと市販の安いミートソース。
玉ねぎとひき肉を加えてフライパンで炒めるだけ。


気温が寒いせいか、お腹が減って急いだせいか、火の通りが悪く、予定より水気が多めに残ってしまった。

たったそれだけのことかもしれない。
でも、福岡に友達がいるわけでもないおれにとっては、たまのお客さんは国賓と変わらない。
国賓に失礼があったらどうするんですか。
昔だったら腹を切って詫びる話ですよ。

一皿１０００円とるようなお店ほどではないけど、おれのミートソースパスタはずーっと作り続けていたせいか、下手なパスタ屋よりおいしい。
自分で言うな、って話だけど、自分が作ったものが、外食で出てくるものよりもおいしいって、別にひとつふたつあってもいいんじゃない？

しかしそれに至るまでは相当人をあやめてきた。うん。
おいしくないのを食べさせられた人からは「今月は何人倒した？」なんて言われたり。
ふ。今日が一人目だ。

おれは褒められると「おれを褒めて利用しようとしているな」とひねくれて考える人だけど、食べるものに関しては嘘かホントかすぐわかるから素直に受け入れられる。

「もうちょっと食べる？」

とおれが聞くと

「うん」

とおかわりしてくれる様子を見ると、食べてくれて嬉しいな、と素直に思える。
おいしくないのはさすがにおかわりしないもんね。

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パスタソースがなにも無いのに「パスタ作って」と言われたことがある。
ふたりで塩とバジルで食べたがさすがにキツかった。
食べ終わったあと、これはないな、と話をした。

「ああ。また二人倒してしまった」

それ以来パスタソースは何かしら常備するようにした思い出。



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・・・いやだから食べ物の日記はやめｒ





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