- 名前
- yano
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- 埼玉
- 自己紹介
- しばらく山にこもったような暮らしをしてました。そうしたら友人も話をする人も居なくなっ...
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檻の中の子。
2006年09月02日 00:26
また本の話し。
前に書いたトリイへイデンさんの「檻の中の子」読みおわりました。前に書いた「よその子」も好きな本ですが、今回は少し重いです。
本の紹介は、http://onechild.cside5.com/ori.html
舞台は現在に近づき、子供を囲む家庭環境の歪みも以前より複雑になっているようです。
単純に貧しいから子供を放置する、とか親の無知ゆえに暴力をふるわれる、という事態よりも、中流や上流の家庭で問題はないのに、家庭の異常性に子供が犠牲になっているようです。
うまく説明できないのですが、親の方が病んでいて子供を犠牲にして平気な家庭というか。
そして、手がつけられなくなってしまった子供を、周りの大人や社会もケアすることをあきらめて、施設に閉じ込めてしまう時代。
トリイ自身も、自分の生活を精一杯守りながら、「もうあんな子供のことはあきらめてしまったほうがいい」という状況にぶつかり、悩みます。
よくなるかどうかもわからない心を開かない子供を何年間ものあいだ、セラピーすることのむなしさと不安。
もうこんな子供のことはうっちゃて、自分の楽しい事をやっていこうと誰だって思うところで、尚も続けていくトリイは凄いのです。
人が生きるということは何だろう、と考えざるをえません。
このあとの続巻もさらに、絶望的な状態の子供達との記録のようです。
いい本だと思いました。
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