マネージャーと俺

お邪魔しまーす

[おぅすお疲れっす]


よっこいしょと……




皆、よく逃げないっスよね

[え、何がっスか？]


ウチのクルー達ですよ

[あぁ……ね]


怖くないんスかね

[いやそりゃ怖いとは思いますよ]


でも、逃げませんよね。皆。

[俺は最初酒に逃げてましたよ]


あぁ……(マネージャー)さんは酒っスか。

[そうなんス本当にやってらんなくて]


良いっスよね……俺なんか毎日やってるゲームすらやる力すら無いっスもん。

[bishopさんは酒飲まないんスか？]


酒どころかタバコや女もやんないっスよ

[あぁ、じゃあ厳しいっスよねぇ……]


まぁでも、生活がかかってるっスからね。

[ですよねぇ。俺だってそうっスもん。]


現実は厳しいっスよねぇ

[そうっスねぇ]




家族とか大丈夫なんスか？

[ウチは妹が嫁いでお袋との２人暮らしなんで]


あぁ……じゃあ尚更っスね。

[でもアレでしょ？bishopさんの実家って]


まぁ……茨城っスけど……

[大丈夫なんスか？]


うぅん……まぁ……まだなんとか。

[やっぱどこも大変っスよねぇ]




もう俺らは此処で頑張るしかないんスよね

[そうっスねぇもう逃げらんないっスもんねぇ]


絶対何かあったら、結婚もしてない俺らが優先的に呼ばれるじゃないスか。

[あぁきっついっスよねぇ。]


もう戦国時代で言ったら足軽状態っスよね。

[んまぁ……そうなっちゃいますよね。]




て言うかここに置いてあるドーナツ、食べちゃっていいヤツっスか？

[……あぁもうどうぞどうぞ食べちゃって下さい！]


全く……こんなご時世でも……こんな……ねぇ(モグモグ)

[なんなんスかねぇ本当にもう。]


やっぱこう……なんつぅか……ね(モグモグ)

[ねぇもう……]




うん、今日は一段と美味く感じる……砂糖と油の塊なのに。

[まそりゃドーナツっスからね(笑)]


絶対コレ食ってる方が寿命縮みそうですよね。

[まぁあんまり体に良い物ではないっスよね。]




はぁ……っしゃ、エネルギーチャージ完了したとこで、ボチボチ帰りますわ。

[んお、お疲れ様っス。]


(マネージャー)さんは？

[俺もそろそろ……ギリギリまで粘って最悪終点からタクシーで。]


そスか……。




あの……。

[はい]


頑張りましょう(左手を差し出す)

[も、勿論スよ(右手を差し出す)]


え、ちょ、落ち着いて下さい。それじゃ握手出来ないっス……

[あ、ごめんなさいごめんなさい(笑)]


じゃあ改めて(手を握る)

[はい、もう頑張りましょう本当に(強く握り返す)]


俺も逃げずに頑張るっスわ(もう片方の手も握る)

[はい頑張りましょうもう(同じく両手で)]


じゃあ……お疲れっス(涙目)

[bishopさんお疲れ様っス(涙目)]










地震の三日後辺りの出来事。










昨日、今書いたマネージャーとは別のマネージャーを久しぶりに見かけた。





真っ黒に日焼けしていて、ぶん殴ろうかと思った(はぁと