咲きやがった

火曜日に、街灯の仕事をした。

田舎町の林道に、
新しく街灯の設置をした。

街灯をつけるには　電線を引っ張ってこないと　いけない。

電線をつなげたら、飛び出ている木の枝が　ぶつかり、
どうしても邪魔になった。

木の枝を何本か　ノコギリで切らせてもらった。

切り落とした木の枝を片付けてると、
いくつかのツボミがある枝があった。

「あぁ・・・（木に対して）悪いことをしたなぁ・・・
　冬の寒さに耐え、やっとツボミをつけたのになぁ・・・
　あと少しで花が咲くところを　私が切り落としてしまった・・・」

木が　とても可哀想に思えたので、
ツボミのついた枝を家に持って帰ってきた。

何十年も使われてない花瓶に　水を入れ、
その枝を挿しておいた。

「こんな事をしても　咲くことはないだろう・・・
　何日か　すれば、枯れてしまうだろう・・・」
　と思ってた。

『私の　この行動は、単に、
　自分の罪の意識をやわらげるだけの　自己満足の行動なんだょ』

そう思ってたら・・・その枝のツボミ・・・
咲きやがったワ！

火曜日に　まだ咲きそうじゃなかったのに、
水曜日の夜に咲きやがった。

私の部屋が暖かいから　急に咲いちゃったの！？

白かったツボミが、赤く大きくなり、
あと５個ぐらい　花が咲きそうだワ。

椿・・・不死身か！？