ばかなプロポーズ

彼女に非現実的なプロポーズをしたことがある。

その日は、野球の練習で学校の備品を壊していたので、それを直しに行っていた。

彼女もそれだったら一緒に居ても人にはおかしく見られないからって言って差し入れを持って現れた。
明るい場所で二人で会えるのは滅多にないことだったので、自然に笑みがこぼれていたな。お互いが…

体育館で二人きり。自然に言葉がでた。

「生まれ変わったら、わしと結婚して下さい。必ず見つけだしてみせるから、普通に恋愛して結婚してな」

「うん」

これを見た人は気持ち悪がると思うけどとても素直な気持ちだった。

彼女は少し経って会った時に、あのプロポーズもう一回言ってと言ってきた。
ビックリして記憶が曖昧だと言ってくる彼女が愛おしかった。今度はシッカリと覚えてるからって…

今も覚えていてくれてるだろうか…


基本的に生まれ変わりなど信じてない。人間死んだら終わりだとずっと思っている。
でも他の欲はいらないから、彼女が誰のものでもないときに、会ってずっと居たいと理不尽に思う自分がいるのも事実だ。