●重たい話・・

『先生、さっきの人・・相当ヤバいですよ・・』

Tがそう云ったのは、入院中、見舞いに来た私の仕事仲間のNさんのこと。

『え・・なんのこと？』

『あれ？感じませんでした？』

Tに言わせると、Nが叫んでいるようだった・・とのこと。それは、もう、身体からはみ出して・・例えば、マイナスのオーラとでも言える、結構ヤバいものだったようです。

『あの・・霊的なモノとかではないですよ。・・なんて云うか・・振動みたいな・・おかしいと思いませんか？初対面の私にSOSを発信する理由はないし・・多分、そう言う気持ちが身体からはみ出して流れ出してる・・みたいな・・』

私は何も感じませんでした・・また、Nは、そのようなキャラクターでもないし・・どちらかと云うと大男で陽気、豪放磊落に見えるンN・・確かに、人一倍、気を遣ってくれるやつではありましたが・・



Tとそんな会話を交して半年。昨日・・別の知人から連絡がありNが自殺した・・と聞かされました。実は数日前、Nと飯を喰いに行ったばかりだったのですが・・その時、何か、云いたそうな感じが会ったのですが・・私は自分の忙しさが先攻して、彼が話すタイミングを潰したような気がしています。なんとなく後悔。半年も前、Tが気付いた時、話を聞いてやっても良かった筈なのに・・。もっとも、人を救えるほど、こちらもベストな精神状態ではなかったのですが・・。やれやれ・・