- 名前
- ヒメ
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- 自己紹介
- はじめまして。 病院勤務だけど、今はいろいろあってお休み中。でも、好きなことだから、...
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『閉鎖病棟』
2010年03月09日 01:24
この題名を見たら、何それ?と思う人とピンと来るものがある人のどちらかだと思います。
これは、精神科医でもある帚木 蓬生という方が書いた本のタイトルです。
精神科病院を舞台とした本ではありますが、「ハンニバル」のレクター博士が出てくるような異常心理を題材にしたものではなく、患者さんの視点に立ち、病院の時間を切り取ったような作品です。
何か事件がおき、その人に精神科への通院歴があると、さも病気である人がみな怖いとか危険性があるような報道のされ方が加熱した時期がありました。
全ての人がそうするわけではないのに、そう見られてしまう現実。
その被害者は、事件に巻き込まれた人だけでなく、そのテレビの向こうで見ている患者さんやその家族も含まれるのに、知らされない現実。
その時、私はまだ学生で実習先で複雑な悲しい顔をする患者さんの姿が忘れられない。
事件は起こさなかったとしても、何かしら病気の初めのころに問題を起こしているから、そんな記憶は忘れられないからかもしれない。。。
確かにね、仕事をしていた私たちでさえ、怖いという感情はある。
それは、病気の初期症状や悪化したときはね。
その感情をなくすことは出来ない、それを失うとその人の変化を見失ってしまうと思うから。
ただ、いつまでも怖いって記憶ばかりではないということ。
落ち着けば、周囲の協力があれば社会復帰も可能であること。
時折、その事を医療従事者であっても忘れそうになる。
私は28年生きてきて、色んな体験をしてきてる。
ただ、その年数以上に同じ場所で生活し続けている人もいる。
なんと説明すればいいのだろう・・・切なさや同情で表すことは出来ない。
家族に残る二度と体験したくないという恐怖、時代の流れなどいろいろなものが絡み合って流れた時間。
ただ、そこから何かしら一歩を踏み出せるという希望を持たせてくれる最後になっている。
患者さんのそれぞれに人格があり、そこには違う人生が流れてきたはずなのに、病院に入れば「患者」という枠組みにはめられてしまう。
一番してはならないことを教えてくれている。
患者である前に、ひとりの人。
きっといろんな場面に通じるものがあると思う。
私は精神科に勤めていて、患者さんの方が純粋でまともな心の持ち主であり、異常なのは私たちではないのかと思うときがあった。
そして、この作品は改めてそんな感情を思い起こさせる作品でもあります。
精神科を題材としている点で、エッ??と思われる方もいるかもしれません。
それぞれに感じるものは違うかもしれませんが、精神科を知らない人にこそ読んでほしいと思いました。
これは、遠く離れた世界で起きてることではなく、貴方の身近にある世界なのです。
まったくまとまりのない文章ですいませんm(_ _)m
このデジログへのコメント
> ドップさん
どんな障害でも、相手を見ない事程、残酷な偏見はありません。
ログを読んでもらって、感じるものがあれば嬉しいです。
> 美空さん
初版の10年前より法が整備されても残る問題の難しさ…偏見は人々の意識の問題。いつか、変わっていく事を願います。
ログに遊びに行きま~す☆
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