家族のかたち

久しぶりにお会いしたその人はとても痩せてしまっていました。
痛みがひどく、食べても吐いてしまうような状況。


どんなに強い麻酔や痛み止めを使っても苦しみから、解放してくれない…治療も出来ないような状況。


痛みがひどく食べられないことが、その先にある意味を嫌でも知らされる現実。それでも、希望を失わないでる。


悲しみが込み上げてきたけど、希望を持っているあの方の前では、笑顔でいる必要がありました。


その方は、私よりずっと年上の方で、毎日のようにご主人が面会に来ています。





たまたま、お昼に散歩に出かけていたら、面会時間までずいぶん時間があるにも関わらず、待っておられました。
ご本人も自分がきつそうな顔をしてると、ご主人が心配な顔になるからと…





それを知っていて、ご主人の前では明るく努めようとしています。




ご主人もずっと傍にいたいけど、毎日数時間の面会…それもお昼からと決めて。だけど、その方は何時間も前から待ってあるのは、きっと知らない。。。





傍にいたい気持ちを押さえて待ってある。





切なかった…




どういう気持ちで待ってあるのかと考えると、言葉に出来ませんでした。





その方の夢は、ご主人に手料理を振る舞うこと。
元々、料理をして相手の喜ぶ顔を見るのが好きと話す方。
ずっと入院して、帰れるのかも分からない。
点滴だけが命綱なんて…






どうか神様…



あの方の夢だけは奪わないで。



そう願わずには要られません。