- 名前
- まさ
- 性別
- ♂
- 年齢
- 64歳
- 住所
- 茨城
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縁起かつぎ
2010年01月24日 13:31
むかし、あるところに大きな店がありました。
商売をしていれば誰でも少しは縁起をかつぐものですが、この店の旦那ときたら大の縁起かつぎです。
特に、『し』や『四』の付く言葉は、縁起が悪いといって絶対に使いません。
たとえば、お尻の事は、おけつと言うくらいです。
新しい小僧さんをやとう時には、必ずその事を言って、
「うっかりでも、『し』や『四』の付く言葉を口にしたら罰金を取る。
その代わり、わしがもしも口にしたら罰金を払おう。
わかったら、そのつもりで働きなさい」
と、約束をさせました。
ある時、さだ吉という小僧さんがやとわれました。
なかなかとんちのきく、さだ吉は、
「よし、旦那から罰金を頂くとするか」
と、知恵を働かせました。
ある日、さだ吉は店のお使い先から帰ってくると、
「旦那さま、旦那さま。お使いの途中で珍しい物を見つけました」
「ほう、何を見つけたんだ?」
「はい、木のかまで、ごはんを炊いている人がいました」
旦那は、それがさだ吉のとんちだとは気がつかずに思わず、
「馬鹿な。木のかまでは、かまの尻がこげるだろう」
と、言ってしまいました。
「はい、罰金!」
「ああっ、しまった!」
こうしてさだ吉は、旦那から罰金をもらう事に成功したのです。
おしまい
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