歩いたなぁ

朝、5時10分家を出た、川面を渡る朝もやは日本画のような景色を作る。

除草された土手は枯れ草の匂いに包まれている。

思わず高校の時の初恋を想い出させた。

田舎のしろつめ草の畑で、四つ葉のクローバーを捜したね、

小学一年で親同志で決めて毎週行ったり来たりして遊んだ、

餅の切れ端を油で揚げて砂糖をまぶす霰を僕は作った

君は美味しいと喜んで食べたね

放課後音楽室でビアノを習ったね

五年で引越しした。

高校になり、進学校にはいったら彼女の小学の同級生とクラスメートになった

そこからまた彼女の家に行くきっかけが出来た

僕はクラリネットで高校で有名になっていた
彼女の家でビアノと合奏を楽しんだ

生き抜きにクローバーをつみに行った

唯一手を繋いだだけの触れ合いだった

ビアノとクラリネットの合奏では 夢中で愛していた

ベニーグッドマンの小さな花の曲が好きだった

口ずさんていたら、岩淵水門まで来ていた

荒川は此処から二つに分岐して、荒川と隅田川になる。

恋の始まりは高校卒業とともに終わってしまった。