- 名前
- 第一海事卿
- 性別
- ♂
- 年齢
- 56歳
- 住所
- 静岡
- 自己紹介
- まるで映画か小説の前半生を過ごしました。 ×になっていい時間。 だれか、一緒に後半の...
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失ったもの
2009年09月02日 21:27
何か大切なものを失ってしまったような気がするが、それが何なのか思い出すことができない・・・
若い頃、田舎の典型的な山村に住んでいた。
お金はなかったが飲みに行きたくなるものだ。
鉄道なんか勿論なく、飲んで帰ってくるにはバスかタクシーしかない。
バスの最終は21時54分。
タクシーはおおよそ1万円を払わねば帰れないような、
そんな場所に住んでいた。
当時の1万円がどれほどのものなのか、参考までに私の当時の給料は月額6万7千円だったのだ。
そんな時、決まって活躍したのが当時の愛車トヨタマーク2だった。
知り合いの駐車場に「タダ」で止めてもらい、べろべろに飲んで愛車まで帰ってきて寝るのだ。
車中泊だ。
夏はエアコンを一晩中掛けっぱなし。
冬は防寒着と毛布を積み込んで、勇んで出かけていった。
起きると当然ながらあちこち痛くて、寝心地なんて無いに等しかった。
日の出の前に起き出して、素晴らしい朝日を浴びながら、わざわざ遠回りのコースをドライブして自宅まで帰ったものだ。
あれから何十年もたった・・・
今、私はよほどの事がない限りビジネスホテルではなく、
きちんとしたブランドのシティホテルに泊まっている。
価格も勿論何万円もする。
とても快適な、居心地のよい空間のすこぶる上等のベッドで眠りに入るのだ。
だが、そんな時なぜだか「ふっ」と大切なものを失ってしまったような空虚な感覚に一瞬、襲われるのだ。
だが、その大切なものが一体なんだったのか・・・・
どうしても思い出せないまま深い眠りに落ちていくのだ。
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