- 名前
- ベソ
- 性別
- ♂
- 年齢
- 64歳
- 住所
- 海外
- 自己紹介
- コミンテルンが我が国の歴史を狂わせた。中学校の歴史授業でゾルゲ事件を教えるべし。 我...
JavaScriptを有効にすると、デジカフェをより快適にご利用できます。
ブラウザの設定でJavaScriptを有効にしてからご利用ください。
完敗の夜
2009年02月19日 21:27
私ね、今はこうして首都圏に住んでますが、くには西の方なんです。今でも両親はそこに住んでます。友人もね。国外に住んでた時は帰省だけでも一大プロジェクトでしたが、今は国内の移動なので一人なら簡単です。家族連れで、となるとこれまた一大プロジェクトですがね。
で、先日仕事の絡みもあって数日だけ帰省したんですよ。こんな息子でも顔を出すと親は喜んでくれる。有難いものです。で、帰る度に一緒に酒を飲んでくれる奇特な友人もおり、この男が今回、初めて中学の同級生が始めた店に連れて行ってくれました。居酒屋なんですがね。
まずこの、いつも私と酒を飲んでくれる奇特な友人ですが、私は頭が上がらないんです。高校を出てすぐに家業を継ぎ、二代目として立派に店を切り盛りしている。親御さんとしてはこの上ない自慢の息子でしょう。親孝行なんざ産まれてこの方なーんにも出来ていない私から見ると、本当に雲の上のヒーローです。会う度に私は自己嫌悪に陥る。どうしてわしは、いつまで経ってもこうなのか、と自問して、いい歳してなーんにも出来ていない自分が本当に嫌になります。
で、今回中学卒業以来ですから、本当に30年以上の時間を経て再会したこの友人。中学時代は、特に目立ったヤツじゃありませんでした。すごく勉強や運動が出来る訳ではなく、ヤンキーでもなく、変わりモンでもない。私との接点もそれ程なかったヤツなんですね。で、その印象が薄かったヤツが、30年経って再会してみると・・・
いや、負けました。完敗です。店は一等地ではありませんが街の由緒ある一角で、小さいとはいえ立派な店構え。中は狭いものの私たちが行ったその晩、平日なのにお客さんで一杯。30年経っても顔が変わる訳ではなく、一目でそいつだと分かりました。で、確かに同じ顔ですが、顔つきがね。本当の男の顔なんですよ。分かりますか? 男の顔。酸いも甘いも噛み分けて・・・という表現がありますでしょ。あれですよ。こいつ、30年で相当の目に遭って来たな、ということが聞かずとも分かります。
話を聞くと高校を一度中退し、別の高校に入り直してそこを卒業、その後一旦会社勤めしたものの将来性に見切りをつけて退社し営業マンとして2年頑張り、金を貯めてある店に料理の修業に入り、2年で技術を身につけて独立した、というのが簡単な経歴。
簡単にいうとこれだけで済みますが、その行間にどれだけの苦労があったか。今の店は二店目で、以前の店はリースの契約が切れたので閉めたそうですが、そこでも当然成功しています。そうしたプロセスを経てこの由緒ある一角に店を出せた、と淡々と語るそいつの顔に浮かぶ皺。自慢するでもなく、苦労をひけらかす訳でもなく、ただ事実を語るその口調に私は負けを実感しました。今の店は弟さんと、アルバイトの若いモンと三人で切り盛りしています。出してくれた料理はこれまたすべて美味しく、固定ファンが多いのも頷けました。
料理は当然のことながら、自分名義で不動産を賃借し、人を使い、良い食材を仕入れ、税金を払い、嫌な客にも愛想笑いを絶やさず・・・というこの世界では当たり前のことを淡々とこなす彼。聞くと美人の奥さんとの間にお子さんが二人。そうか。こいつは成長して本物の男になったんだな、と店の名物の蒸し鍋を堪能しながら実感しました。完敗です。乾杯じゃありませんよ、完敗。完敗に乾杯、なんてしゃれを言ってる場合じゃありません。
いつも飲んでくれる友人も、今度30年ぶりに再会した友人も、私にとっては貴重な鏡です。自分を写すと、映る姿は友人に負けてばかりの情けない四十男ですが、それで諦めないのが私の良いところでね。こう見えても志もありますし、未だ体力も若いモンに負けません。私はやりますよ。このままだとくにの友人達に会わせる顔が無い。
あ、大将、焼酎ロックでお代わり~。
このデジログへのコメント
「故郷に錦を飾る」というのがぴったりの心境なのですね♪
矢張り、この言葉は男のロマンを感じます
私も同じような心境を味わったことがあるような・・
私、何やってんだろ?って気持ちになりました^^;
そんな人たちの経験が聞けるって羨ましいです
聞いていなければ自分ってこんなもんだろうって思うかもね
そんなお友達を敬愛できるあなたも、きっと認められています。
ベソさんはステキな人ですよ(^^)
コメントを書く