マドリードの「太陽の門」

大学生の時に少しだけスペイン語をかじった事があった。その時に読んだテキストの第一行目は「プエルタ・デル・ソル（Puerta del Sol）はマドリッド市の中心にあります。」と言う内容の文章だった。プエルタ・デル・ソルとは「太陽の門」という意味である。私はその門をいつか見てみたいと思った。30になった頃少しだけまとまった休暇が取れた、私は航空券を買ってマドリッドまで行ってきた。ホテルに荷物を預けるとすぐに地下鉄に乗ってプエルタ・デル・ソル駅で降りた。しかしいくら探しても「太陽の門」は無い。私は街の人達に聞いてまわった、「太陽の門はどこにありますか」（Dondeesta Puerta delsol ?)皆ここ（Aqui)だと言う。私は狐につままれた様な感じになった。親切な老人がゆっくりとしたスペイン語で教えたくれた。「大昔に太陽の門という名前の門がここにあったらしい、今は地名だけが残っているんだ。」、私は大きなハンマーで頭を殴られた様な気がして、そこにへたりこんでしまった。よくよく考えると日本にだって大手門だの桜田門だの「門」が付く地名はいくらでもあるじゃないか。馬鹿だ。何も調べもせずに大きな立派な門があるに違いないと思い込んでスペインまで行くとは。