中３のほろ苦い思い出

中３の修学旅行で青森に行ったとき、新幹線で前の席に座った女子から、「×ゲームで男子と握手させないといけないんだ～」と授業で席が隣の女子に言われ、「何で俺なんだよ～」と言いつつ握手した彼女。やわらかくて小さな手だった。席が隣の女子とは仲良かったんだけど、その彼女のことは気にも留めてなかった。でも、翌朝みんなが寝ている早朝に３：３で十和田湖畔で会うことに。朝霧の立ちこもる湖畔で、ただ何もせず６人で歩いた。心象風景。
卒業まで、その子のことが気になって、気にすればするほど口もきけなくなって、それは俺らしくないだろうと思いつつも、他の女の子をくどいてたりして。

２０年後、同じ湖畔を一人で歩いた。何の感慨もなかった。あの時の彼女は高校卒業後すぐに、家が隣の酒屋の同級生と結婚した。全ては過去のこと。ほろ苦くも甘酸っぱい思い出。

あれ以降、好きになった子はすぐに口説いた。何もいえなくなって、手放すのが怖くて口は軽くなった。「カルイ」と言われることもある。でも、それでもいいい。それがほんの少し間違った判断だったとしても、後悔はしないはずだから。