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ソメイヨシノの危機
2008年04月03日 01:01
今日は夕刊の記事でこんな気になる記事を見つけましたので
ちょっと調べてみました。
前回、3月28日のログでソメイヨシノがエドヒガンザクラと
オオシマザクラの交配によって生まれたことはお話しましたが
誕生したソメイヨシノは自家受粉で種子ができにくいという
特徴を持っていた為、挿し木や接ぎ木という方法でその数を
増やしていきました。
つまり今世界中に散らばっているすべてのソメイヨシノは
遺伝子学上全て同一のクローンということになります。
同じ場所に咲くソメイヨシノがいっせいに開花するのも、
このことが原因です。遺伝子が同じですから、
個体差がほとんどなく、気温 などの環境条件が
同じであれば、いっせいに花を咲かせます。そのため、
各地でソメイヨシノの咲く時期や状態を調べれば、その土地の環境や気候を推測したり、比較することができます。毎年発表される「サクラ前線」は、ソメイヨシノが花を咲かせることで、その土地への春の到来を示すことになるのです。
ところがこの遺伝子上ほぼ同じということがソメイヨシノの
唯一の弱点になっている事が、近年判ってきました。
自然界では、たとえ同じ種であっても、それぞれの個体は、
ほんの少しずつ違った遺伝 情報を持っています。
この少しずつ違った遺伝情報は、いわば保険のような
ものです。
環境が突然、大きく変化したとします。ほとんどの個体は
適応できずに滅びてしまうかもしれませんが、
たまたまその環境に適応できる遺伝情報を持っていた個体は、生き残ることができるのです。
ところが、ソメイヨシノは個体差がほぼありません。
そのため環境の変化に適応することが難しいとされており、
伝染性の病気などがまん延すると、ソメイヨシノが
全滅してしまうといったこともありえるのです。
また、寿命についても遺伝的要因が大きく左右しています。
ソメイヨシノの寿命は概ね60年程度と考えられていますので、
戦後に植えられた多くのものが、ここ数年で一気に衰えて
しまうことが懸念されています。
それではソメイヨシノに未来はないのでしょうか?
その答えが青森県弘前市弘前公園にありました。
弘前公園には樹齢100年を超えるソメイヨシノがあります。
その長生きの秘訣は、その独特の剪定(せんてい)方法に
あります。「枝の世代交代を図る」ことを積極的に行い、
老朽化した枝は切って、傷口に殺菌剤を塗るなど細やかな
手入れをほどこしました。栄養が新しい枝に行くので、
再び花をたくさん咲かせるようになるのです。
今後、戦後に植えられたものが寿命を迎えますが、
管理の仕方次第では日本の春の風物詩・ソメイヨシノの寿命を長くできる可能性もあるのです。
このデジログへのコメント
桜守の人材育成と確保、あと地域の協力ですね。
桜守もボランティアの方が殆どだと聞いています。
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