ちょうきょう　１

はじめ、彼女はキスに対してそれほど思い入れもなかったようだけど、おれがキスするのが好きで、彼女にもキスが好きになってもらいたい気持ちでいっぱいキスしているうちに、彼女もおれとキスするのが大好きだと言ってくれるようになった。

彼女は今までのえっちに失望を抱いていなかったのだろうか、と思ったが、案の定、えっちは男性にとっての性欲処理、子作り、男性が求めるから女が受け入れる、というような現状に不満を持っていて、本当は男性の上に馬乗りになって、両手を縛ってみたり、目隠しをしてみたいという願望を持っていた。

男性の自分本位なえっちの経験が多いため、おれに対してもしつこいくらい

「優しくして」

「乱暴にしないで」

「痛いことはしないで」

「いじめないで」

と繰り返していた。

彼女の過去に関しては、本人が話した以上のことは知らないので、ほとんどが推測にすぎないが、それでも彼女の警戒心は伝わってくる。

安心が生まれるまでには、それからそれなりに時間はかかったものの、今では、ちょっとしたきっかけですぐえっちな気分になっちゃう、と彼女が言うくらい仲良くなった。



ながいのでつづくかも。
飽きるまで。