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赦す人 レヴュー

2021年05月24日 10:17

団鬼六の評伝
著者は大崎善生

本の冒頭で「アホか!」
最後には「死は観光や」

いずれも鬼六が自分に向かって
吐いた言葉である。

「アホ」の中身は鬼六の人生を
少し知れば想像がつく。

「観光」の方はとてつもなく深くて
見えてこない。

鬼六の作品には他殺、自殺があり、
実生活では生と死を分けた交通事故
賭け将棋小池重明の病死、
最後の愛人自殺などがある。

自分の死に直面して
大崎に残した言葉が「観光」。

私の直前に東日本大震災が起き、
鬼六は追悼文を残している。

死後10年。
もし生きていたら、
今のコロナ状況に対して
何を語っているだろうか?

それとも何も語らず
屋形船でどんちゃん騒ぎか?

まだ鬼六の声は聞こえてこない。

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