【兄くん】2-01-02、火花散る

「夢の中といえば、わたしも兄ちゃんとラブラブになった夢みたっす～」
くねくね。
多分演技だろうな。
「夢くらい勝手に見ればいいじゃないわよっ。別に誰の夢に出たって……妬けるわ」
ツンデレちゃんも最後ぼそぼそ。

「ただいまだぞ♪」
「じぇじぇじぇ！」
父さんが帰ってきた。助かった～。
「うむ。修羅場か……。いいぞ、もっとやれ」
扇子ふりふり。
助かってなかった～！
「息子よ、まだまだ甘いわ。百戦錬磨の俺様を見習うがいい！」
そんな事言ったら母さん怒るよ～。
「ふん、その果てに撰んだ最高の女だから、問題あるまい。例えるならばセンターだ」
「あらあら。わたしは金太郎かしら、うふふ♪」
「うぼあ～」
アイアンクローされる父さんだった。

って。
バチバチバチバチ
いつまで火花散らしてんだよっ。
「ふたりとも楽しそうだから、わたしと一緒に遊ぶのだっ♪」
うん。そうしよう、妹よ。

リビングには火花散らしに夢中のふたりの乙女が取り残されたのだった。

ちゃんちゃん