温もり

好きな人との幸せな日々の喪失感。
手の届く所にあった筈の彼の温もり。


幸せだったなぁ。
生まれて初めて、キスが気持ちよかった。
生まれて初めて、セックスという行為に感謝できた。
一時でも、彼と一つにさせてくれるその行為が愛しかった。


“ふたりはひとつになんてなれない”

なんて、歌の文句みたいな台詞が心の中に残る。
一つになんてなれない。わかってはいるけど、もどかしい。
二つの心があるから、すれ違って、離れてしまう。
一つになりたかった。



最後に、抱きしめて、って言った時。
自分にはそんな資格が無いって言ってたね。
でも私は抱きしめてほしかった。最後に、温もりを感じたかった。


好き。
大好き。
まだ、過去になんてできない。
だから、私は今精一杯生きたいよ。


そして、幸せになりたい。