そんなモンさ

俺は自分の限界を知ってるつもりだ。


限界を超える為に挑み努力するのは悪い事でも無駄な事でもないと思う。


ただ、出来ないと分かっているのに自分を大きく見せて安請負をするのは…ダメと思う。


俺はまたそれをやってしまったんじゃないだろうか？


アイツの器は俺なんかより遥かに大きい。


でも俺はアイツの弱い部分を見て守ってやれるって思った。


実際アイツは弱っていた。


俺はアイツを抱けたのは…ただ単にそこにつけ込んだだけなのだろうか？


本来俺はアイツの心を盗めるような男じゃない。


そんな事は分かり切っているよな。


ホンの一時期だけ魔法にかける事が出来たかもしれないけど…きっともう魔法は解けたんだろうな。


仕方ない、それが現実だ。
それは事実として受け止めよう。


今日それがハッキリ分かったよ。


今の俺には俺に出来る事しか出来ない。
それをやればいい。


確かにアイツはイイ女だ。
だから色んな男が魅了される。
当然の事である。


自分に正直に言えば、俺は嫉妬した。
そんな自分が嫌いだね。
クソがつくほど下らねえ。
俺はアイツに惚れちゃいるが…まだどっぷりって訳じゃない。
まだ全然間に合う。
手を引くなら今の内だ。


尤も手を引くというのは俺の心の中の話だけど…。


俺は今後何度かアイツを抱くだろう。
アイツがそれを望む内は。


ただ、心まで抱こうとするのは止めよう。


そして…
愛される事を望むのは止めよう。


多くは望まない。


元々何もなかったんだから。


改めて、俺は俺に出来る事をする。


ただ、それでイイ。


それがカッコつけて自分を演じてるというのなら…


演じきってやるさ。