日高逸子

競艇界のグレートマザーと呼ばれる選手である。今年で４９歳になるが衰えを知らない。

この人の著書で「私は、迷わない」という本がある。彼女の半生を綴ったものだが、中々に不幸な生い立ちをしている。その中でも一番は父親が事故で働くなってしまい、苦痛から逃れるために酒乱になってしまう。そのうち母親が蒸発して親戚の所に引き取られていく。

普通なら自分を捨てた母親と会いたくはないだろう。が、自分が母となってみると会いたくなってみたそうだ。すると連絡先がわかって手紙のやり取りから始めるのだが、その中で「貴女のお父さんが亡くなり殺される恐怖がなくなるまで私は時を静かに待つつもりでした」という一文がある。

切ない、ものすごく切ない。家族なのになんで？オレも両親とは20年以上離れて暮らしてるけど、一応は将来的に一緒に暮らすつもりでいる。そりゃ小さい頃悪い事したら殴られたけど、酒乱でもないし普通の両親だからだ。

今、自分の友達でもっと酷い状況の娘がいる。小さい頃に母親が鬱病で離婚して、その後父親に性的虐待を受ける。中学で家出し出産して結婚するも旦那の借金を返すため風俗の道へ。両親を反面教師にして家庭を築こうとしたが挫折。現在旦那と別居して離婚に。

強い人間ならなんとかなるもんだが、それでも味方がいない人生は辛いな。日高逸子はトップレーサーとして君臨し、同時に円満な夫婦生活を築いている。オレの友達もこんな風にうまくいってほしいもんだ。