寝付けないので…

ガラス越しの自分は やっぱり
いやらしく

行為に
全神経を集中させているのにも
関わらず

自分をちらちら
客観的に
みてしまう



その鏡は
正直に自分を
映し出す


AV女優とは かけ離れた贅肉だらけの醜い自分…

そんな自分…の敏感に感じる皮膚を…内膜を
少しづつ小波をたててくる相手の生暖かい舌や手に

冷たかった自分…の皮膚が徐々に熱く…じっとりとしてくる…


相手の息に併せて
吐息混じりの鼻声で 貪るように
快楽に酔い潰れる自分…


しっかり見えていた 鏡越しの自分…

いつしか
ぼやけて…


自分…の
叫び声と
相手…の
囁きと

ツン…とする
混じりあった
獣の様な匂いだけしか感じなくなったと同時に、

鏡越しの自分…
醜く獣の様な鳴き声で

すべての身体の孔から体液を…

そして心のなかの
真っ黒いものを…

あなたに…
解き放ってもらう…








少しづつ
また
鏡越しに
ありのままの
自分が…写し出される…



少しだけ…


少しだけ…


こんな醜い
あたしを…
強く…やさしく…
抱きしめていただけますか…





名前を
呼んでいただけますか…




この
鏡越しの醜い自分…

これが
ほんとの自分…です