さよなら

さよなら
日本語

さよなら
近しき人

さよなら

ありがとうなんていわずに
さよならだけ告げて
別れる生き方に
憧れる

いつもいつも
ありがとうばかりで

気付くとありがとうの国にいる

どこをみてもありがとうに埋もれて
使いすぎたありがとうの言葉

立場が病になり弱くなってから
気付くとありがとうとごめんねが
増えている

そのしがらみの中でもがいて
がんじがらめにされていることに気付く

知ってたよ ずっとそうだったもの

誰かがいう
支えになれれば
何か力になりたい
力にならせて
助けたい　力を貸したい
少しでも喜んでもらえれば嬉しい

どれだけ聞いてきた言葉だろう

そのたびに
ありがとう
ごめんね
ありがとう
助かります
ありがとう

言葉のない国なら
表情ひとつで伝えて生きていられたかもしれないのに。

誰かがいう
力になりたい
支えたい
少しでも力になれるなら
何もできないけど自分がいることで
少しでも痛みを忘れられるなら
少しの間でも自分がいることで

自分がいることで
自分と過ごす間だけでも・・・


時に思う
今まいている自分の種まきの行動は
ただ、正しいと思って一人でやっているだけ

それは自分のためじゃない
自分が幸せになりたいから
やっていることなんかじゃない

その本質のどこまで
伝わっているんだろう

どこまでも
伝わらないままで構わないから
そっと種をまかせて


立場が違う
痛みの修羅場も経験していない人と

対等に話し合えはしない
わかりあえはしない

私が行うのは種まきの繰り返し
これは一人でやっていればいいこと

疲れていても
悲しくても
むなしく感じることがあっても
自分自身の選んだ人生だから

それは誰のものでもないし
奪われるものでもないはず


けど
たまに
奪われるような気がすることがある


善と良いは違う意味


人はみな
自分の足で自分の人生の軌跡を作って歩むもの

そこにスクランブル交差点のように
私の人生と重なることはあったとしても

そこから逸脱して私の道のほうをともに
歩むことは

そこから先は
あなた自身の本当の人生ではなくなることを
意味する

言葉を刃物のように使うのは
もうやめよう
心が行き場なくさまよう夜は
今もつどんな感情も手放して

さよなら
さよなら

言葉のない国へ

今すぐにいこう

余計なことばかり
言い出す胸の中の言葉たちを追い出そう

さよなら
言葉という刃物をもった自分よ
さよなら


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