ホステス時代

あたしはかなり売れっ子だったけど、

女の子の中では超嫌われ者だった。

でも、それでよかった。

だって、女の子同士で仲よくたって一銭にもならないじゃない。

先輩の客を取ったとかシメられても、

「お客様があたしを選んだんだから、仕方ないじゃない」

なんて言っちゃうもんだから、

ますます嫌われて、

そして、ますます人気が出た。


どんな世界も、信じられるのは自分だけ。


まあ、それと、

外見の美しさがなきゃ生き残れないよね。


先輩に嫌われても、

店長とかオーナーのおじさんたちは、かなりあたしに甘かったし。


若い客が先輩たちとグルになっても気にしなかった。

だって若い子たちはお金持ってないもん。

延長もしないし。


あたしは可愛いだけでなく、

どんな難しい話でもきちんとついていけるから、

おじさん連中に人気だった。


英語も話せるから、

外国からのお得意様の接待とかいう席にも向いてたし。


何時間も延長してもらい、

同伴も必ず。




ある程度稼いで、いきなり辞めた。


人気の絶頂期で辞めたかったの。


崖っぷちの先輩たちの、

無様な姿になりたくなかったから。




まあ、昔の話よ。