変ｾﾞﾐ

続き。

どこまでも続く漆黒の中で女の仔と二人、ﾍﾞｯﾄﾞの上で、ただ手を繋いで座っている。ただ座っていてもつまらんので、ちょっと変化をつけてみた。

…んじゃー…ﾌﾞﾗ外してみて？大丈夫、見えやんから！

何度か促して、渋りながらも、外した事を自己申告してきた。ﾌﾞﾗを外したのかどーかは分からない。あくまでも自己申告に沿って、ぼくは想像するだけ。

…んじゃー、M字開脚。ちょっと足の位置だけ確認させてなー。

足を探して、少しだけ触らせてもらった。これは確かにやってるらしい。でも当然、見えない。足と言って、実は別の何かかも知れない。

…ひざの間に手をやってみ？触ってるそれ、ぼくの頭。これって、かなり近くで見てると思うねんかなー。あ、あくまでも自己申告。

彼女が少し体をよじったのか、目の前あたりから、液体ちっくな音がした。

…どう？恥ずかしい？見られてるのか分からんのに？こーゆー変態的なのも中々、興奮するもんやろ？今その恥ずかしさは自分だけのものやから、好きな事して楽しんだらええで。ぼくには、想像しかできんから。

元の姿勢に戻って、掴んでいた手を誘導した。

…実はぼく、最初から全裸やねん。あとこれ、固いやろー。何とは言わんけど。まあ、好きに想像して。

ぼくは手の力を抜いたけど、彼女の手はそれを掴んだまま。形、大きさ、を確認するように、こそばゆく擦っていた。

彼女も楽しみ方を分かったようす。固い何かを掴んだふたりの手は、ゆっくりと動いている。さらに、するすると布が擦れる音がしたあと、別の場所で液体の卑猥な音が鳴り出した。

「泉さんが想像しているような事はしてないから」と、聞いてもいない事を、荒れた息で否定しながら。

正しい。この状況で行われているであろう事は、あくまでお互いの想像の中にのみあるもの。こんなに楽しんでも「ｺｽﾌﾟﾚ以外、何もしなかったよねー」とｼﾗを切り通すのも容易。否、本当に何もしていないのかも知れない。