忘れられない夜を　忘れん坊の君へ

パリの夜は今日もガスっぽい

私は　私の人生を

かなり　わがままに歩いてきたと思う

私という生き物は　どうしようもなく

わがままで　欲張りで　強がりで　見栄っ張りで

嫉妬深く　勝手気まま　いつだって気分次第に　

自由気ままに　人を振り回してきた

そして　当然の顔をして　貫いてきた

それは　私が　女であるということ故に

助長されているとも思う

選ばなかった人生に嫉妬をする度

大嫌いだったタバコに　吸えもしないくせに

火をつけては　溜息をついている

自分の人生を　精一杯　生き切れずに

気付けばいつも　低燃費走行で

自分に賭ける事も

一心不乱に　前進していく事も　しなくなってしまった

いつのまにか覚えてしまった　なまけぐせが

抜けきらない

どこに居ても同じ

脇道にそれようにも　それきれずに

いつまでも　歩きにくい所を歩いている

暗い所が嫌いなくせに

自ら暗い所に身を置いて

人生の転機を振り返っては

やっぱり　選ばなかった人生に　嫉妬をする

周りの　輝いている人に　嫉妬をする

前を向いて歩かずに　

どこか遠く　ここにはないものを見ながら　歩いている

これではいけないと思いながらも

自業自得だとは　わかりながらも

いつもと同じ

これが私　と　変わろうとしない私がいる

きっと

選ばなかった方の人生を選んでいたとしても

同じ事なんだろう

決意をしては　忘れ　また決意をしては　忘れ

忘れるために　決意をするのかと思うほど　繰り返し

どの夜ならば　忘れられないのだろうと

ホザいて笑う　お門違いの　苦い口



人の死にざまは

人の生きざま

ろくな死に方しない気がした



さて

どう生きましょうか