クリスマスの記憶

何年前だろ。もう10年くらい経つのかな。

気になってる子がいた。かわいいんだけど、どうにもこうにも話が合わない。価値観が違うってやつ。

だから、会ってもただ食事してＨしてってだけだった。セフレ？おれはいつか同じような価値観を持てるんじゃないかと思ってちゃんと口説いてるつもりだったんだけど、相手はおれがセフレとして付き合ってると思ってたみたいだった。

結局は恋人関係になる事もなく、次第に会わなくなっていったんだけど、その子と過ごしたクリスマスは記憶に残ってる。特別な事をしたわけじゃないんだけど、クリスマスに酔った感じ。やっぱり好きだったんだろうな。

おれの家で二人で鍋をした。ちょっと高めの赤ワインを用意したりして。口移しでワインを彼女の唇へ少しずつ注いだ。あんまり酒に強い子じゃなかったから、ぐでんぐでんになってた。そんな状態でも彼女は「カラオケ行きたい」なんて言って、恋人たちが腕を組んで歩く街中を、おれは彼女の肩を支えながら歩いた。
でもカラオケはそこそこでおしまい。飲み疲れみたいな感じだったのかな。今度は彼女をおんぶして、大声でなんか歌いながら家に帰った。酔ってたってのもあるけど、そういうのが楽しかった。
あとは家に帰って、一緒に風呂に入って、夜と朝にＨして、駅まで送ってっていつものパターン。ただいつもよりは、多めにキスマークをつけたかな。胸の下とか腕の内側とか内腿とか。色白で、キスマークがやけに目立っていやらしかった。

そんなクリスマスを過ごしたこともあった。
あの子は保母さんになってるのかな…