嫌いな道

昨日久しぶりに通ってしまった。
嫌いな道・・・
高校３年の夏休みだったと思う。
暑い道を一人でパンクした自転車を押しながら帰っていた。
その道にさしかかった時、後ろからスクーターの音がして、私の横にきて止まった。
そして、２０歳くらいの男の人が言ったのだ「そこのウラでパンツぬいでくれん？」って。
「はあー？」と言うと、「こんなになっとんよ。早くー」と言って、パンツをずり下げた。
生まれてはじめてその状態を見た私には、すぐにはソレが何かわからなかった。ただ、ひたすらに気持ち悪くて、パンクした自転車に乗って、逃げ出した。
それでも「ねえー」とついてくるスクーター。
今から思えば、多分、それだけのつもりだったんじゃないかなぁ。まじめに強姦するつもりなら、スクーターを置いて、力づくでどうこうできただろうし・・・
でもそのときにただ怖かった。
無視して走って、一番手近にあった数十メートル先のタバコ屋さんに泣きながら飛び込んだ。
お店の人が、外に出て行く前にスクーター葉スピードをあげて走っていった。

誰にも言わなかった。口することすら出来なかった。ただ、嫌いな道として記憶に残っただけ・・・
昨日久しぶりに通ったけど、もうあのタバコ屋さんもなかった。