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第1話:たどりついた現場は世界の終わりのような奴らが働いていた

2026年01月05日 00:17

最初の夜は地獄のように明るくて、俺はバカみたいに笑ってた。
「どうも、流です! 前職は社長でした! こんな綺麗なオフィスで働けるなんて感動してます!」
そう叫んだ。わざとらしいくらいに爽やかな声を出した。心の中は真っ暗だったのに。
その職場は、夜中に出勤して、ただ画面を眺めるだけの仕事だった。
マウスを動かして、ホームページ画像がちゃんと動いてるか確認する。
それだけだ。30分で終わった。
俺は泣きそうになった。
なんて楽な仕事なんだ。なんてくだらない金のもらい方なんだ。
だけど、俺は喜んだ。腐ってても、金は金だった。
そして俺は腐っていた。とっくの昔に。
だが時給で1000万返せるわけがない。
寝てる間にチャリンチャリン鳴る仕組みが必要だった。
何日も検索しまくって、たどり着いたのが「動画編集」と「せどり」だった。
動画編集は、数千円もらえる仕事ばっかり。
時間ばかり食って、頭は痛くなるし、意味がなかった。
せどりも同じだった。何を仕入れたら売れるか探すだけで1日が潰れる。
全部クソだった。クソの沼。クソの迷路
考えすぎて吐きそうになった。
それで、仕事中に酒を飲み始めた。
バレなかった。っていうか、誰も俺のことなんか見てなかった。
この3ヶ月で、ここがそういう場所だってわかった。
山田ってハゲがいた。いつも独り言を言っていた。
「ふ~ん、なるほどね…ああ、これはこうだな」
誰も返事をしなかった。誰も気にしてなかった。もちろん俺も。
新城って女もいた。体重は120キロ。夜中になると腹が鳴る。
「ぐぅ~~」って、怪獣みたいな音だった。
腹の中にもう1人住んでるのかってくらいの音だった
それから、花城萌。バカみたいに胸がでかい女。
その代わり、心はコインロッカーより狭かった。
誰かが席を立つと、すぐ悪口を言う。
愚痴と陰口でできた女だった。
誰も夢なんて見てなかった。
与えられた仕事を、文句言いながらこなして、ただ時間を潰していた。
死んでないだけの人間たち。
俺もその一人になりかけていた。
朝まで仕事してるフリして、終わったらコンビニ缶ビール買って帰る。
そんな生活のせいで、どんどん太った。
血圧は上がって、時々吐いた。
もう終わってた。何もかも。
そんなとき、「アダルトアフィリエイト」ってのを見つけた。
月100万稼げる?笑わせるな。
でも、やってみるしかなかった。
仕事中、酒を飲みながらスマホで始めた。
電子書籍を1冊買った。1500円。
中身はクソだった。
文字で遊んでるだけの、バカがバカ向けに書いたゴミだった。
そのバカが、俺だったってことだ。
それでも、何度も失敗して、ようやくNOTEってサイトでまともな情報に出会った
言われたとおりにやったら、うまくいった。
肩の力が抜けた。
人生なんてそんなもんだ。うまくいくときは、そんな感じで転がる。
でも、金にはまだならなかった。
どうやら「X」のアカウントを複数持たなきゃダメらしい。
面倒な話だった。全てが。
そうこうしてる間に、新人が入ってきた。
陽気な奴で、すぐに周りと仲良くなった。
常に笑ってた。楽しそうだった。
花城萌とも仲良くなってた。
たぶん、アイツら付き合ってるな。どうでもいいけど。
ある日、新人が俺が見逃したウェブの誤字を見つけた。
猫の記事のカギ括弧が二重になってただけ。
それを山田が見つけたみたいに「おー、新人くん、やるねぇ!頼りになるよ!」って持ち上げてた。
俺の存在は、空気より薄くなっていた。
だけど、悔しくもなんともなかった。
俺の心はもう死んでいた。ただ、金だけを追っていた。
それから自分のPCを買って、本格的にアダルトアフィリエイトを始めた。
売れそうなAV女優を見つけて、欲望丸出しの猿向けの文章を書いた。
Xに投稿して、夜中の誰もいない休憩室で、それを何度も繰り返した。
窓の外には、沖縄夜景が広がっていた。
青白いPCの光が俺の顔を照らしていた。
俺は缶を開けて、ぐびっと飲んだ。
この世界に乾杯だ。腐っても、俺はまだ生きてた。

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