【お題日記】自分で撮った、奇跡の一枚持ってます

気に入っている写真はある。
けれど「奇跡の一枚」と呼べるのかと問われれば、少し首をかしげてしまう。

つい最近も、いつも走る通勤路に咲いた彼岸花を撮った。毎年のように撮影している花で、今年のものもなかなか気に入っている。けれど、だからといってそれが奇跡かと問われれば、違うのだろうと思う。

では、奇跡とは何なのだろう。技術的な偶然か、天候の気まぐれか、それともそのとき自分がそこに居合わせた事実そのものを指すのか。あるいは、二度と戻れない過去を閉じ込めたものこそが奇跡なのか。

考えてみると、奇跡の定義は外から与えられるものではなく、自分の心の中で決まるのかもしれない。誰が見ても平凡な一枚であっても、自分にとって人生の分岐点や心の支えとなる写真であれば、それは紛れもなく奇跡だ。奇跡とは「与えられた瞬間」ではなく、「自分が選び取った瞬間」なのだろう。