岩井俊二「チィファの手紙」

岩井俊二監督「チィファの手紙」
「ラストレター」と同じ台本による変奏曲。
この台本の見事さを実感した。
もし可能なら、英語やロシア語、フランス語、アラビア語など様々な国々で映画化できたらいい。
どこの世界の空の下でも、この死んだ女性と周りの人々の人生は痛ましく悲しく美しいだろうから。

死んでしまった女性の大学生時代は描かれないが、周りの人間が語るわずかなことばだけで「想像される」。
実際に描かれるよりも、想像される印象のほうがはるかに心に残るのだけど、それを見事に行っている。
最近の映画のつまらなさの一つとして、「なんでも見せてしまう」から想像の余地が少ない事がある。
ＣＧで見たことが無いような画を見せてしまうのも本当は良くない。
見たことが無いようなものは想像させなければならないのだ。

この映画の多くの部分が、多くを語りすぎず、想像させる描写になっていることが素晴らしい。
それにしても、ムームーとティナン役のダン・アンシーが凄くかわいい。
見せ方上手いなぁ。。。と思う。

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